2016.07.28 10:21『天使の翼』第6章(4) ふと見ると、シャルルは窓辺によって、彼の政府高官用携帯端末に向かってしゃべっていた…… わたしは、手近のソファーに――どさっと腰を下ろした。自然と大きなため息が出る――いくらでも眠れそうなほどの疲労に包まれている自分が……いた…… 「…………査察庁のミロルダ地方局に――デイテ?デイテ――」 わたしは、はっとしてシャルルの顔を見上げた。 「大丈夫かい?」 「ごめんなさい」 いつの間にか睡魔に捕えら...
2016.07.28 10:14『天使の翼』第6章(3) シャルルは、調子を合わせて―― 「うらやましい限りです。経済的な地盤がしっかりしていれば、その上に美しい文化の花が咲かせられるかも知れない。吟遊詩人の僕らも、微力ながらお手伝いしますよ」 「ハハハ、わたくしは、常々自重せねば、と思っているのです。歴史を繙けば、どんな若々しい市民的な文化も、富の蓄積と歩調を合わせるようにして、貴族化し、奢侈を求めるようになる。それは、文化の爛熟であると同時に、斬新...
2016.07.28 09:13『天空のエクリチュール』第184話、投稿! 本日は、当サイトをご訪問いただき、誠にありがとうございます。 『天空のエクリチュール』第184話を、Instagram形式で『天空のエクリチュール』ページに投稿いたしました。タイトルは、『茨の中でお食事中』です。 今後とも、フォトエッセイ『天空のエクリチュール』、よろしくお願いいたします。