歌手の吹き替えがないのと同じこと

『ハッシュタグ狂詩曲(#Rhapsody)』第23話
 テーマ:映画は字幕で見る?吹き替えで見る?


 最初に断っておくと、今から話す内容は、決して『吹き替え』を否定するものではない。
 『吹き替え』には、吹き替えの良さがある。
 例を挙げたらきりがないけど、『奇皇后』のスンニャンの吹き替え、素晴らしい!他には考えられない。ちょっと古いけど、『氷の微笑』のシャロン・ストーンの吹き替え、これだって唯一無二のものだ……


 だけど、吹き替えは、原版とは別物なのだ。
 本当に原作映画を堪能しようと思ったら、その俳優本人の声で見ることが、必須となる。

 

 その理由は、音楽の世界に歌手の吹き替えなんかないでしょ、と言うもの。


 台詞は、演技の最も重要な要素であり、演技に不可欠の要素なのだ。
 俳優の発声の全て、声質・強弱・タイミング・感情の込め方……そこには、俳優の全身全霊が込められており、演技の神髄なのだ。
 そこを見ないで、聞かないで、本当にその映画を理解したとは言えない。映画評論家で、吹き替えだけ見て評論する人がいる?

 

 わたしが、『吹き替え』でなく『字幕』を選ぶ最大の理由は、そういう事なのだけど、他にもいくつか理由がある。
 ① 例えば、英語があまり得意でなくても、何回か同じ映画を見た後、試しに字幕を消してみるといい。ほぼ完璧に何を言っているか理解できる。
 ② 俳優の持ち味と言うものがあるなら、声の質、声は、まさに持ち味その物。だったら、俳優本人の声で聴かなくちゃ。
 ③ 吹き替えの台詞は、原語の台詞と微妙に違う、意訳・省略がある。
 細かいことを言ったらきりがないけど、大体こんな所かしら。


 だから、わたしは、たとえ『吹き替え』で楽しめた場合でも、必ず『字幕』を見る。そこには、必ず新しい発見がある。


『天使の翼』作者:有川慶子







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