【クルックスのラジオメーターとワームホール】―第7章(6)投稿!
『天使の翼』第7章、6回目を投稿しました。
わたくしサイト管理人、いささか困惑しています――こんな企画提案するのではなかったと……
今回『天使の翼』作者が送ってきた画像は、皆様も昔理科の実験で見たことがおありだと思います。ただ、正確な名称をどうしても思い出せなかったので、ネットで「光を当てると羽根がクルクル回る」と検索すると、【クルックスのラジオメーター】と一発でヒット。確か、光そのものに押されて羽根が回るんじゃなかったよな、と読み進めると、あるある、羽根の黒い面の側がより光を吸収し、温まるので、そこに接した気体の分子運動が活発になり、白い側より多くの分子が衝突して、白い側を進行方向にして回りだす――
私は、一応予備調査をしたうえで、寝室の携帯を取りに行った。
「オホン。アー、【クルックスのラジオメーター】と来ましたか。先生、その心は?」
「何気取ってる(の)」
「いや、だからさ、なんでもいいから一言コメントをくれや」
「『クルックスの』……あんた(あなた)、百科事典で調べたな(でしょ)」
私は、百科事典は百科事典でもネットと言う名の百科事典だと、アナログな作者に言ってやりたかったが、ぐっとこらえて――
「そんなの調べなくたって分かるさ。簡単に言うと、光が当たってより温まった羽根の黒い側に接した空気の分子運動が活発になって――」
「何言ってる(の)。あれは、光に押されて回ってる(のよ)」
「違うって――」
「違わない(わ)。――だって、ワームホール回線を通ってきた光ってとても冷たいのに、ラジオメーターに向けると、すごい速さで羽根が回るんだぞ(回るのよ)!」
「…………」
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