空間と時間の独り占め
『ハッシュタグ狂詩曲(#Rhapsody)』第25話
テーマ:あなたが独り占めしたいこと
『独り占め』とは何だろう?
物の独り占め……
人の独り占め……
事の独り占め……
でも、何と言っても、一番の『独り占め』は、『場所の独り占め』じゃないかしら?
『場所の独り占め』とは、一定の時間、一定の場所を、一人ないしごく親しい仲間内だけで独占することだ。つまり、場所を独占することは、時間を独占することでもある。
『場所の独り占め』の本質は、他者の排除だと思う。
一定の時間、一定の場所を独占して、他者の存在をなくす。
人は、身近に他者がいるとどうしてもその存在を意識して、脳裏から締め出すことができない。完全には気を抜けない。
『場所の独り占め』ができれば、意識すべきは自分だけ。100%自分と向き合い、周囲を、自分の独占している場所を堪能できる……
誰一人いない、宵闇の迫る砂浜に座り込んで、物思いにふける……
(わたしの小説『天使の翼』にそのような情景の例があります。参照:『天使の翼』第3章(5))
早朝の散歩道、誰もいない公園をぶらぶらして、気に入った花や情景をカメラに収める……
深夜、自宅の書斎で思索にふける……
ストレス社会に生きるわたし達には、そのような時間が必要だ。
つぶれそうになる心を癒すために……
『場所の独り占め』は、贅沢なことではない。必要なこと……とても大切なこと……
『天使の翼』作者:有川慶子
【画像はアメブロにある同じ記事へのリンクです】
0コメント