【ヴンダーカンマーの天然石】――『天使の翼』7完結編、投稿!――

 『天使の翼』第7章、完結編を投稿します。

 主人公デイテの誘拐未遂、そして彼女の両親の失踪の謎を追って、シャルルの推理に導かれてきた二人は、スカルラッティ公爵の領星アクィレイアで、大学に通いながらシスターを務めるジェーンと出会います。彼女との出会いから、新たな進展が……

 さて、今回の『天使の翼』作者を知る謎解き画像……う~ん、これは、石のコレクションだよな……と、そこまでは簡単。その先が分からない。この画像を送ってきた意図が……

 わたしは、いそいそとパソコンに向かう――確か、こういうの、『天然石』とか言ったっけ……何々……人工的に合成されたものではない鉱物・岩石の総称……科学的な定義ではない……市販されている物の中には、エンハンスと言って熱処理などで色調を変えたものあり……パワーストーンの類……

 「なるほど……」

 私は、思わずつぶやいた。キーワードが出てきたぞ。……作者氏を驚かすには、この写真の石を特定しなくては……画像検索……う~ん、画像じゃ難しいな……蛍石……オレンジカルサイト……虎目石……?……?……

 わたしは、ディーリング・ルームに入る時のような(前回のフォト・エッセイで、作者氏が、私の趣味だと言ってしまった)期待と不安を微かに感じながら、寝室に置いてある携帯を取りに行った。

 「もしもし?」

 「ヴンダーカンマーだよ(よ)」

 早々と出鼻を挫かれる。

 「え、えっ……ブンダ―……」

 「ヴンダーカンマー。ドイツ語だ(よ)。直訳すれば、不思議の部屋、だな(ね)――」

 (すいません、煩瑣なので、以下女言葉だけで表記します)

 「――16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパの貴族たちが金と権力にものをいわせて集めまくった貴重品を飾るための部屋。博物館の出発点と言われてるんだけど、面白いのは、貴重品と言っても、現代の視点からすると珍品、としか言えないような代物まで混ざってるの。……サンゴ細工……得体の知れない魚の剥製……ありとあらゆるローゼン・クランツ(サイト管理人註:数珠)……古代のコイン……」

 「そう言えば、君、物を集めるの好きだったな――」

 「ほっといて。今日の写真は、わたしのヴンダーカンマーの、ほんの一翼に過ぎないんだけど、自然石のコレクションよ。わたしがモノを集めるのは、それを並べて眺める愉悦の時間……分かるかしら、イメージがどんどん膨らむの!」

 私は、すかさず――

 「パワーストーンだろ」

 「ありきたりね」

 逆効果だった……

 「『宇宙の摂理』って言ってくださいな」

 プツン――

 例によって、一方的に電話が切れた……でも、待てよ……今日のこの謎解き、作者の実像にかなり肉薄してないか?