【ディヴィッド・ブリュースターのカレイドスコープ】――第7章(9)投稿――

 『天使の翼』第7章、9回目を投稿しました。

 さっそく、謎解き画像といきましょう。今回の画像で、作者は、一体何を言わんとしているのか?

 何やら奇麗なガラス瓶……香水?……それとも何か高級な香辛料でも入っているのか……サフラン?……バニラビーンズ?……

 違う!私は、ガラスの筒の内部下方に、小さなガラスの筒を見出した……ビーズのようなものが入って――万華鏡だ!そうと分かると、この小さなガラス筒を回転させるためのつまみ、本体上部ののぞき穴、とたちどころに見えてくる。

 意外と簡単だったな。私は、『天使の翼』作者に一本取られないように、念には念を入れて、Wikipediaを参照した。……光学におけるブリュースターの法則や、色の三原則の定義で知られる……19世紀スコットランドの科学者……万華鏡の特許取得……特許があったとは……

 私は、今回は鼻であしらわれることはあるまい……若干の不安を覚えつつも寝室の携帯の所へ行った。

 「もしもし。お疲れさま」

 「妙に優しいじゃないか(のね)?」

 「いやいや――」

 「分かった。余裕こいて優しさぶってるな(のね)!」

 私は、たちまちにして、出鼻を挫かれた。図星だ。多少余裕があったので、「お疲れさま」などと口走ってしまったのだ……悔やんでも――

 「香水の瓶じゃないから。デイヴィッド・ブルースターの万華鏡ってタイトルでも付けるんだな(のね)」

 (ちょっと待て!分かってるって……誰も香水の瓶だなんて……『ブルースター』?発音違わないか……)

 「この万華鏡でワームホール回線を通ってきた光をのぞくとどうなると思う?」

 私は、むくれて絶句したまま、またワームホールかよ、先生ワンパターンだな、と口に出せない台詞を胸中に反響させた。

 「ははははは(ふふふふふ)、教えてあげない!」

 そこで、電話、ぷつんと切れた…………